韓国旅行といえば、激安ツアーで明洞や南大門をめぐり、ショッピングと食事を楽しむのが定番となっています。だからそのエリアに行くと常に日本語がどこからか聞こえてくる。安心感はあるかもしれないけれど、外国に来たぞ!という緊張感とワクワク感は多少薄れるかもしれません。でもソウルの街って実はもっと深くてオモシロイ。たとえば、地下鉄2号線の駅をひとつずつ降りていって散策してみるのも案外楽しい。2号線は山手線のように環状線になっているので、ソウルの街の様子がだいたいわかります。どの街が自分に合うのか、気に入るか、なんとなくわかってきます。ハズレもありますが、比較対象がないと判断すらできないですよね。いつまでも人の受け売りじゃつまらないし、もったいない。とはいえ、きっかけは欲しいところです。
さて、今回の이야기は홍대/ホンデにある제비다방/チェビ・タバンです。ホンデとは弘益大学周辺エリア(地下鉄2号線「홍대입구/弘大入口」)のことで、おしゃれで個性的なお店がたくさんあります。それもそのはず、弘益大学は美術学部が全国的に有名、その影響もあってこのエリアにはアーティストたちが多く集います。ホンデはクラブが多いことで有名ですが、その実アートや音楽などのサブカルチャーの殿堂ともいわれ、多彩な才能やアートシーンが日々生まれ続けています。そこには商業的な彩をできるだけ排除し、トレンドに左右されない、ものづくりに打ち込む姿を見ることができます。제비다방/チェビ・タバンは、まさにそんなホンデ現象を体現しているスポットなのであります。
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本格的な音楽を提供するにもかかわらず、 ライブハウスと一線を画すわけは入場料がないから。 「募金」というかたちで、空き缶に自分が出したい分だけお金を入れる。 手軽に芸術を体験してほしいというコンセプトだ |
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제비다방の제비(チェビ)は「つばめ」、다방(タバン)は「茶房」。 実はこの店名、1930年代の鬼才の作家であり建築家であった、 이상(李箱イ・サン)が経営したカフェの名前。 彼とその仲間はチェビ・タバンで大いに遊び、 そしてつぶしたそうですが(笑)、それにならって「遊び」をテーマに。 自分たちが楽しめばきっとみんなも楽しんでくれる、という想いから。 |
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チェビ・タバン(1階+地下1階)は文化的複合空間の一部。 |
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1階はカフェ、地下1階はライブ空間、 2階はレコーディングスタジオと「ワンピース」マガジン編集室、 3階は建築事務所。すべて「CTR」というクリエイター集団による。 チェビ・タバンはいわば彼らの才能の展示場だ。 |
クライングナッツのライブも行われた↑
★場所
地下鉄6号線「상수/サンス」駅3番出口を出て漢江方面に50メートル。
参照元
チェビ・タバン ホームページ
ソギョ芸術実験センター